竹材 活用の動き(粉砕して肥料に 飼料用ペレットに)
放置されたままの竹林が増える中、竹を使って家畜の飼料などを作る動きが出ている。放置竹林は、杉などの森林を侵食する恐れがあるため、竹の利用拡大が進めば、竹林の適正管理にもつながりそうだ。
岐阜県各務原市で竹やぶ整備のボランティアを10年ほど続けてきた亜岐健司さんは8月8日、竹を伐採する会社「バンブージャパン」を設立した。「竹の用途の開発が進み、いろいろな企業から竹を提供するよう打診を受けたが、まとまった竹林をかくほできず断ることが多かった。今後は安定供給していきたい」と意気込む。
竹にかかわるきっかけは、市内の荒廃した竹やぶを見て「きれいな竹林にしたら気持ちが良いのに。環境はみんなの共有財産。手が足りないなら手伝いたい」と思ったこと。民有竹林の手入れをするNPOを2003年につくるなどして、竹林の整備にかかわってきた。ブログで会社設立への協力を呼び掛け、集まった東京都、佐賀、高知県などの7人で会社を興した。
原則として手入れのための伐採を無償で請け負い、竹材を販売して利益を得る。「放置竹林を伐採してほしい」と3自治体、個人所有者50人以上から問い合わせを受けている。
同社と交渉中の福岡県花町農政課は放置竹林がどんどん増えており、隣接地に侵食して杉やヒノキを枯らすなど問題が出てきている。伐採する機械を入れられない山間部の竹林が多い」と話す。併せて、商工会や農協などと連携し、竹の有効活用も模索している。
産業機械メーカー、神鋼造機(岐阜県大垣市)は、竹を粉砕する機械を開発した。細かくした竹は飼料や農業資材への利用が見込める。機械の説明などに使う竹は5年前から亜岐さんが提供している。営業本部の萱場時男課長は「厄介者の竹林に利用価値が出てきた。伐採が仕事として成り立つよう竹が売れる道を考えたい」と力を込める。
全国的に竹林の面積は増えている。日用品などに使われていた竹の需要が減り、竹林が放置され、拡大したとみられる。林野庁は「タケノコが中国産に押され、生産が減ったことも放置の一因」と話す。竹は生長が早く、他の若い木々の成長を妨げやすい。また、根が浅いため斜面にある竹林は大雨時に崩れやすい。地下茎が民家の敷地に侵入する被害も見られる。
こうした放置竹林の荒廃を防ごうと、竹の利用拡大を図る動きはほかにもある。
生コン・砕石プラント販売の新興工機(愛媛県)は3年前から、竹を材料にした飼料用ペレット(固形製品)の開発に取り組んでいる。食品廃棄物のしょうゆかすとおからも混ぜたペレットを製造。竹は近くの竹林で林業家に伐採してもらったものを使う。
4月から、酪農家3人の協力で、乳牛の餌に使ってもらっている。餌に使う豆の代替品の扱いだ。1年間の結果を畜産試験場が分析する。担当の佐野善徳取締役は「乳量や成分などが従来の飼料と同等以上の結果が出ると期待している」と話す。今後、肥料や燃料用のペレットの開発にも乗り出す予定だ。
そのほか鹿児島大さ産学官で飼料化の調査研究に取り組み、三菱自動車が試験的に電気自動車の内装材に竹を使うなど用途が広がっている。
一方で、大量の竹をどうやって伐採し、供給するのかが課題だ。竹資源活用フォーラム会長で富山県中央植物園長の内村悦三さんは「大規模な事業化は、大量の竹が必要となるので難しい。カルチャーセンターなどで竹の工芸品を作って売るなど、地産地消の考え方で利用を図るのもいいのでは」と指摘する。
http://akibamboo.at.webry.info/200807/
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