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2006年5月 6日 (土)

百年の孤独

百年の孤独

百年の孤独(ガルシア・マルケス)

 焼酎「百年の孤独」は、ガルシア・マルケスの小説のタイトルから名付けられた。蔵元は宮崎県高鍋町にある創業明治18(1885)年の「黒木本店」。
 入手困難な人気銘柄。
 4代目にあたる黒木敏之さんは、立教大学卒業後、輸入雑貨店に就職。その勤めを辞め、東京でシナリオライターを目指した。だが、いざ机に向かうとペンが進まず、1980年に帰郷した。帰郷の前にマルケスの「百年の孤独」を手にする。小説に影響を受けた映画で知ったのがきっかけだった。
 マルケスは小説で、「マコンド」という土地を舞台に、その土地を開いた「ブエンディア家」の代々の歴史を神話を織り交ぜて描く。黒木さんにとって、数多い登場人物の中で、ブ家の血を引くアウレリャノ大佐が印象に残った。
 アウレリャノ大佐は保守政権が戒厳令を敷くなか、新政府の樹立を目指し、反乱軍を率いる。32回も反乱を起こし、全戦全敗。戦いに終止符を打ったあとは、マコンドに戻って金細工作りに没頭する。
 黒木さんも焼酎造りに打ち込んだ。杜氏から1から学び、仕込みの際には蔵に寝袋を持ち込み、泊り込んだ。当時、長年にわたって造り続けてていた麦焼酎の売れ行きは芳しくなかった。そんな中、焼酎を樫樽で貯蔵することを思いつく。「売れないなら貯蔵しよう。樫樽で個性もつくはず」。逆転の発想に覚悟を決めた。
 創業100年にあたる85年、満を持して「百年の孤独」を発売する。マルケスがその3年前にノーベル文学賞を受賞していたこともあって、マルケスを知る人が手にすることも少なくなかった。
 「マルケスを通して百年の孤独は広がった」と黒木さん。やがて皇太子が好きな焼酎として話題になり、その名前は一気に全国区になった。
 グラスに注ぐと、淡い琥珀色が氷を染める。飲むと、樫樽の甘い香りが口に広がる。

de M.Sano

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受信: 2006年5月 8日 (月) 11時12分

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